ねらいがしっかりしているだけあって、キャストは全てホンモノ。仕事の関係で数々の獅子舞や、伝統文化を見てきたけれども、プロ意識を持って洗練された演者はすばらしいなぁと感心してしまいました。
振舞われるお酒や肴も一流品。接待するスタッフの方々もとてもきれいで着物が似合っていて、ステキでした。
そんな中でも、私が日本人の「もてなしの心」を一番感じたのは、演目ではなく、ある仕草でした。芸者さんと遊びを体験するために舞台に上がった外国人。もちろん靴は脱ぎっぱなし。それを自然に整える日本人スタッフの仕草。同じく舞台に上がった日本人が自分の靴をさりげなくそろえる姿。こういう、日本での生活の中で相手を思ってするさりげない姿にこそ、おもてなしスピリットが宿っているんじゃないかな、と気付いたことが私にとっては一番の収穫でした。
ちなみに、デーモンも靴をそろえていたのを見て、彼も日本の良い習慣を身につけているんだと分かって、なんだか微笑ましく、嬉しく思いました。